もっと 闘う細菌 常在菌 豹変のメカニズム

書誌情報

【編著】福島久典 
【著者】山根一芳 真下千穂 南部隆之

ISBN 978-4-8160-1215-0

販売価格 7,000円(税込7,700円)

■B5判 ■オールカラー ■216頁 ■2010年5月
弱毒菌が病気をおこすメカニズム、細菌から体を守る免疫のメカニズムが分かる必見の入門書。時代の趨勢に沿う学習書として新たにされた改訂版。
化膿レンサ球菌からMRSA、O157まで歯性感染症を解明する上で重要な知識をやさしく、丁寧に解説。
バイオフィルム、ウイルスに関する内容が一層充実し、新たな感染症など今日的なトピックスも収載した。
各章の巻頭には重要なポイントが一目で分かるまとめのページ、章末には重要語句を欧文、日本語で一覧として掲載し、複雑で幅広い知識の求められる細菌学分野を学習しやすく、記憶しやすい構成でまとめた一冊。
国家試験対策に最適の一冊。
目次
●Chapter 1 ヒトは微生物からどのように身を守るのか?

1. 皮膚と粘膜
 1)皮膚と粘膜の働き
 2)分泌液の働き
 3)常在細菌の働き
2. 自然免疫
 1)食細胞 phagocytes
 2)NK(Natural Killer)細胞
 3)補体別経路の活性化
 4)インターフェロン interferon
 5)抗菌ペプチド
3. 粘膜免疫
 1)腸管関連リンパ組織 gut-associated lymphoid tissue:GALT
 2)経口免疫寛容 oral tolerance

●Chapter 2 細菌の分類学的な位置付けと特徴

1. 細菌の分類学的位置付け
 1)5界説による分類
 2)3ドメインによる分類
2. 細菌の基本構造
 1)細胞膜
 2)細胞壁
 3)細胞質
 4)線毛
 5)鞭毛
 6)莢膜
 7)芽胞(被膜)
3. 細菌の代謝
 1)異化
 2)同化
 3)細菌コミュニティーの代謝


●Chapter 3 微生物各論

1. 細菌
 1)酸素の存在下で生育できる細菌(好気性菌、通性嫌気性菌、好二酸化炭素性菌を含む)
 2)酸素の存在下で生育できない細菌(偏性嫌気性菌)
2. リケッチア、クラミジア、マイコプラズマ
3. 真菌
4. ウイルス
 1)分類
 2)ウイルス感染症
 3)注意すべきウイルス感染症
 4)口腔に関連するウイルス感染症
5. プリオン

●Chapter 4 細菌の病原性とは?

1. 感染と発症
2. 感染経路
 1)経気道
 2)経口
 3)皮膚の接触
 4)血液
 5)生殖器
 6)動物
3. 寄生体(細菌)の病原性
 1)宿主組織への付着・定着性
 2)組織侵入性
 3)組織侵襲性
 4)外毒素産生性
 5)免疫応答修飾因子(モジュリン)産生
 6)分泌酵素産生性
 7)内毒素 endotoxin
4. 病原性の比較
5. 強毒菌による感染症と弱毒菌による感染症
6. 病原性に影響を与える外来遺伝子の獲得
 1)ファージ
 2)プラスミド

●Chapter 5 細菌の生き残り戦略

1. バイオフィルム
 1)バイオフィルムの形成過程
 2)バイオフィルムの特徴
 3)緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のバイオフィルム
2. 遺伝子の水平伝播
 1)形質転換 transfomation
 2)接合 conjugation
 3)形質導入 transduction
3. 薬剤耐性機構の獲得
 1)抗生物質の作用機序
 2)薬剤耐性機構
 3)MRSA感染症
 4)バンコマイシン耐性腸球菌感染症


●Chapter 6 口腔常在菌叢と細菌の観察方法

1. 常在菌叢(フローラ)
 1)常在菌叢とは?
 2)常在菌の働き
2. 口腔環境と口腔常在菌叢
 1)舌背
 2)頬粘膜
 3)歯の表面(歯垢)
 4)歯肉溝
 5)唾液
3. 細菌を観察するために
 1)培地
 2)培養
 3)コロニー形態をみる
 4)細菌をみる(光学顕微鏡)
 5)細胞形態をみる(電子顕微鏡)


●Chapter 7 口腔細菌の分離・同定

1. 臨床材料の採取・輸送・希釈・塗抹・培養
 1)採取と輸送
 2)輸送培地
 3)希釈
 4)塗抹と培養
2. コロニー数の算定と再分離
3. 酸素感受性による分類
 1)偏性嫌気性菌以外の細菌の同定
 2)偏性嫌気性菌の同定
4. 培養法を用いない細菌の同定法
 1)PCRを用いた解析法
 2)DNA-DNAハイブリダイゼーション法
 3)次世代シークエンシング法


●Chapter 8 う蝕

1. う蝕は細菌感染症である
 1)う蝕には口の中の細菌が関与する
 2)う蝕とは?
 3)歯垢内の細菌
2. う蝕は伝播する
3. う蝕の原因菌探し
4. ミュータンスレンサ球菌の性状
 1)分布
 2)主要性状
 3)Streptococcus mutansのう蝕原性
5. 歯垢のう蝕原性
6. う蝕の予防
 1)ハミガキなどによる歯垢の物理的除去
 2)フッ化物の塗布
 3)抗う蝕ワクチン
 4)抗菌剤や抗歯垢形成剤
 5)非う蝕原性甘味料あるいは低う蝕原性甘味料の利用


●Chapter 9 う蝕に続発する疾患

1. 歯髄炎
 1)歯髄炎の分類
 2)歯髄炎の原因
 3)歯髄炎を起こしている歯髄から分離される細菌種
 4)抜髄根管における根管充填前の細菌残存性
 5)細菌塊
2. 根尖性歯周炎
 1)根尖性歯周炎の分類
 2)根尖性歯周炎の原因
 3)根尖性歯周炎の病巣から分離される細菌種
 4)感染根管における根管充填前の細菌残存性
 5)難治性根尖性歯周炎から分離される細菌
3. 口腔外科領域の感染症
 1)口腔外科領域の感染症の分類
 2)口腔外科領域の感染症の原因
 3)口腔外科領域の感染症の病巣から分離される細菌種
 4)分離される細菌種の抗生物質感受性
4. 疾患の軽重と分離菌の病原性
 1)歯髄炎から蜂巣炎までの症例から分離される細菌種は同じ
 2)病原性に関連する酵素
 3)各疾患における酵素産生菌の分布
 4)Prevotella intermedia / nigrescensの酵素産生性


●Chapter 10 歯周疾患

1. 歯周疾患は細菌感染症である
2. 歯周疾患に関連する細菌
3. 慢性歯周炎における組織破壊メカニズム
 1)細菌による組織破壊
 2)炎症反応による組織破壊
 3)骨吸収のメカニズム
4. 歯周疾患発症のリスクファクター


●Chapter 11 歯周病原細菌の病原性

1. Porphyromonas gingivalisの性質
 1)宿主への付着・定着性
 2)組織侵襲性
 3)酵素産生性
 4)鉄の獲得
 5)ベジクル vesicle
 6)リポ多糖 LPS
 7)代謝産物
2. Prevotella intermedia / nigrescensの性質
 1)宿主への付着・定着性
 2)組織侵襲性
 3)酵素産生性
 4)鉄の獲得
 5)LPS
3. Aggregatibacter actinomycetemcomitansの性質
 1)宿主への付着・定着性
 2)組織侵襲性
 3)毒素と酵素産生性
 4)ベジクル vesicle
 5)LPS
4. 全身疾患との関係

●Chapter 12 院内感染について

1. 院内感染とは?
 1)宿主側(患者や医療従事者など)の問題
 2)院内感染原因微生物
 3)感染の制御
2. 新たな感染症
 1)新興感染症
 2)再興感染症
 3)そのほかの感染症


●Chapter 13 獲得免疫系について

1. 獲得免疫とは
 1)獲得免疫の特徴
 2)体液性免疫と細胞性免疫の2つの獲得免疫機構
2. 抗原
 1)抗原とは?
 2)エピトープ epitope
 3)LPSはB細胞を活性化する
 4)スーパー抗原 super antigen
3. 抗体
 1)抗体のクラス
 2)抗体の構造
 3)抗体を作る
4. 補体
5. 抗原抗体反応(抗原の排除)
 1)ウイルス中和反応
 2)毒素中和反応
 3)食作用の促進
 4)補体古典経路の活性化
 5)肥満細胞の活性化
6. 抗原抗体反応の利用
 1)沈降反応
g 2)凝集反応
 3)中和反応
 4)補体結合反応
7. 抗体産生機構
 1)抗原提示細胞による抗原提示
 2)クローン選択説
 3)ヘルパーT細胞の働き
 4)B細胞の働き
8. ウイルスなどに対する免疫
 1)内在性抗原の表出
 2)サイトトキシックT細胞の接着
 3)サイトトキシックT細胞の働き
 4)Th1細胞のマクロファージ活性化による細胞障害
9. アレルギー
 1)即時型アレルギー
 2)遅延型アレルギー

索引
 

運用中のネットショップ

▲ページトップへ戻る

© 2007 Nagasue shoten inc.