I リハビリテーション医学・医療および口腔リハビリテーション学の概念
1.障害の捉え方とリハビリテーション
2.リハビリテーションにおけるアプローチの基本
1)治療的アプローチ
2)代償的アプローチ
3)環境改善的アプローチ
4)個人因子と環境因子
3.リハビリテーション医学・医療における専門職との連携
4.フェーズ別にみた口腔リハビリテーション
5.口腔リハビリテーションのアウトカム
6.口腔リハビリテーションの意義
スペシャルコラム ①リハビリって??
II 口腔リハビリテーションに必要な基礎医学
1.口腔機能にかかる解剖
1)口腔・歯の構造
(1)口腔前庭 (2)固有口腔 (3)口唇 (4)頰 (5)歯肉・歯槽粘膜 (6)舌
(7)唾液腺 (8)歯
2)顎関節の構造
(1)顎関節骨性構成要素 (2)顎関節軟組織構成要素
3)咀嚼筋等の構造
(1)咀嚼筋 (2)舌骨上筋、舌骨下筋 (3)表情筋
4)咽頭の構造
(1)咽頭鼻部(上咽頭) (2)咽頭口部(中咽頭) (3)咽頭喉頭部(下咽頭)
(4)咽頭の神経 (5)咽頭筋 (6)咽頭の脈管
5)喉頭の構造
(1)喉頭軟骨 (2)喉頭腔、喉頭蓋 (3)喉頭筋 (4)喉頭の脈管・神経
6)食道の構造
(1)食道の脈管・神経
2.口腔機能にかかる生理
1)咀嚼機能
(1)咀嚼とは (2)咀嚼のリズム形成 (3)咀嚼時の口腔感覚 (4)咀嚼機能の加齢変化
2)摂食嚥下機能
(1)摂食嚥下の5期 (2)プロセスモデルと摂食嚥下の5期モデル (3)嚥下
(4)摂食嚥下機能の加齢変化と障害
3)言語機能
(1)発声機能 (2)構音機能 (3)言語に関わる高次脳 (4)言語機能の加齢変化
4)味覚機能
(1)味覚の受容と5基本味 (2)味覚の神経回路 (3)味覚の加齢変化
3.ライフサイクルと口腔機能
1)発達期
(1)口腔機能の発達
2)成人期
3)老年期
(1)ロコモティブシンドローム (2)フレイル (3)オーラルフレイル
(4)サルコペニアの嚥下障害
III 咀嚼障害
1.咀嚼障害の特徴
1)器質性咀嚼障害
(1)歯・歯列欠損による咀嚼障害 (2)顎骨欠損による咀嚼障害
(3)舌・口底・中咽頭欠損による咀嚼障害
2)機能性咀嚼障害(運動障害性咀嚼障害)
(1)歯科疾患に起因する機能障害 (2)運動障害性咀嚼障害
2.咀嚼障害の検査と評価
1)歯・顎・口腔器官の評価法
(1)歯・歯周組織および歯列咬合様式の評価 (2)唾液分泌機能検査 (3)口腔細菌数の測定
(4)義歯の評価 (5)顎関節・咀嚼筋の評価
2)咀嚼機能検査
(1)咀嚼能力検査 (2)舌圧検査 (3)口唇圧検査 (4)口唇閉鎖力検査
(5)舌口唇運動機能評価 (6)内視鏡による咀嚼・食塊形成機能検査
(7)問診表による咀嚼能力評価
3.咀嚼障害の治療・訓練
1)歯・歯列欠損による咀嚼障害
(1)義歯の取り扱い (2)義歯装着者への栄養指導 (3)咀嚼障害の機能訓練
2)顎骨欠損による咀嚼障害
(1)支台装置による治療の特徴 (2)顎義歯による治療の特徴
3)舌・口底欠損および運動性障害による咀嚼障害
(1)治療法の選択 (2)咀嚼機能の評価
4)顎変形症による咀嚼障害
(1)顎変形症
5)顎関節の疾患による咀嚼障害
(1)顎関節症 (2)顎関節強直症
6)咀嚼筋の疾患による咀嚼障害
(1)咀嚼筋腱・腱膜過形成症
スペシャルコラム ②脳神経外科手術後の開口障害の発現とリハビリテーション
IV 摂食嚥下障害
1.摂食嚥下障害の特徴
1)摂食嚥下障害とは
2)摂食嚥下障害の病態と原因
(1)器質性嚥下障害(静的障害) (2)運動機能性嚥下障害(動的障害)
(3)その他の機能性嚥下障害
3)疾患と摂食嚥下障害
(1)脳血管障害 (2)神経・筋疾患 (3)精神疾患・精神障害
4)摂食嚥下機能の時期と障害
(1)先行期の障害 (2)準備期の障害 (3)口腔期の障害 (4)咽頭期の障害
(5)食道期の障害
2.摂食嚥下障害を引き起こす疾患
1)発達障害
(1)摂食・咀嚼・嚥下障害を引き起こす発達障害の特徴
(2)具体的な発達障害と摂食・咀嚼・嚥下障害の関連
2)口腔・咽頭疾患
(1)舌炎 (2)アフタ (3)歯周炎 (4)扁桃炎と扁桃周囲炎(扁桃周囲膿瘍)
(5)咽頭炎、喉頭炎、咽後膿瘍 (6)口腔・咽頭腫瘍
3)脳血管疾患
(1)脳出血 (2)くも膜下出血 (3)脳梗塞 (4)脳血管性認知症、高血圧性脳症
(5)その他 (6)脳血管障害の治療法 (7)脳血管障害により出現する障害の理解(障害像)
4)高齢者に多い摂食嚥下障害を引き起こす疾患
(1)フレイル、オーラルフレイル、サルコペニア (2)認知症 (3)Parkinson病
5)中枢神経、末梢神経、筋障害を伴う疾患
(1)脊髄小脳変性症 (2)筋萎縮性側索硬化症 (3)多発性筋炎
(4)筋ジストロフィー (5)Guillain-Barré症候群
3.摂食嚥下障害の検査と評価
1)医療面接
(1)医療面接を行う前に (2)聴取する内容
2)咳テスト
3)改訂水飲みテスト
4)フードテスト
5)反復唾液嚥下テスト
6)頸部聴診法(cervical auscultation)
(1)頸部聴診法とは (2)頸部聴診の方法 (3)頸部聴診の判定法
(4)頸部聴診の診断精度 (5)摂食中に行える唯一の嚥下障害スクリーニング法としての頸部聴診法
7)嚥下造影(VF:videofluoroscopic examination of swallowing)検査
(1)検査法 (2)診断基準と評価
8)嚥下内視鏡(VE:videoendoscopic evaluation of swallowing)検査
(1)検査法 (2)診断基準と評価
9)超音波検査
(1)必要な知識 (2)超音波による摂食嚥下機能の評価
4.摂食嚥下障害の治療
1)治療的アプローチ
(1)口唇、頰部の運動訓練 (2)舌の負荷訓練 (3)舌の可動域拡大訓練
(4)食塊の操作訓練 (5)下顎の可動域(開口域)拡大訓練 (6)咽頭収縮訓練
(7)息こらえ嚥下と強い息こらえ嚥下訓練(息こらえ嚥下法)
(8)声帯の内転強化訓練(プッシングエクササイズ)
(9)前口蓋弓の冷圧刺激法 (10)胃管を用いた嚥下訓練 (11)バルーン拡張法
(12)頸部ストレッチ法 (13)頭部挙上訓練(シャキアエクササイズ)
2)代償的アプローチ
(1)姿勢調整法 (2)食塊の量と与えるペースを調節する方法
(3)食品の物性を調整する方法 (4)嚥下補助装置
3)環境改善的アプローチ
4)外科的治療
(1)目的と分類 (2)手術適応の判断と術式選択 (3)嚥下機能改善手術
(4)誤嚥防止手術 (5)術後管理
5)摂食嚥下訓練実施上の注意点
(1)呼吸機能と摂食嚥下機能 (2)呼吸筋トレーニング (3)呼吸賦活を目的とした呼吸法
(4)排痰法 (5)吸引法
V 構音障害
1.構音障害の特徴
1)器質性構音障害
(1)鼻咽腔閉鎖機能不全 (2)構音操作の異常 (3)構音器官の形態異常
2)運動障害性構音障害
(1)運動障害性構音障害の原因 (2)構音障害の症状
3)その他の構音障害
(1)聴覚性構音障害 (2)機能性構音障害
2.構音障害の検査と評価
1)構音に関する検査(①産生された音を評価する方法)
(1)聴覚的判定法 (2)発話明瞭度検査 (3)オーラルディアドコキネシス検査
(4)音響分析
2)構音に関する検査(②構音動作を観察する方法)
(1)姿勢と呼吸の観察 (2)発声発語器官の観察 (3)構音動作の視覚的評価
(4)パラトグラフィ(palatography) (5)エックス線検査 (6)超音波検査
3)鼻咽腔閉鎖機能に関する検査
(1)簡便な検査 (2)エックス線検査(セファログラム)
(3)内視鏡検査・鼻咽腔ファイバースコピー (4)ナゾメーター(鼻音化率計測装置)
3.鼻咽腔閉鎖機能不全に伴う構音障害
1)共通して観察される症状
(1)構音の症状 (2)声の症状 (3)プロソディの症状
2)構音訓練の基本
(1)口腔内の環境の調整 (2)運動器官の機能訓練 (3)感覚機能の訓練
(4)呼吸機能の訓練 (5)系統的な構音訓練を実施する条件 (6)系統的な構音訓練の方法
(7)代償構音の獲得 (8)話し方の工夫 (9)拡大・代替コミュニケーション(AAC)
3)唇顎口蓋裂
(1)症状 (2)評価と訓練 (3)ライフサイクルに応じたかかわり
4)先天性鼻咽腔閉鎖不全症
(1)症状 (2)評価と訓練
5)脳血管疾患による構音障害
(1)症状 (2)評価と訓練
6)筋・神経疾患による球麻痺
(1)症状 (2)評価と訓練
7)上顎癌の術後
(1)症状 (2)評価と訓練
4.口腔疾患による構音障害
1)口蓋隆起による構音障害
2)巨舌症による構音障害
3)舌小帯短縮症による構音障害
4)舌癖に伴う構音障害
5)顎変形症による構音障害
5.悪性腫瘍術後の構音障害
1)舌・口底切除術後
2)下顎切除術後
3)上顎切除術後
4)中咽頭切除術後
(1)軟口蓋栓塞子(soft palate obturator:SPO) (2)軟口蓋挙上装置(palatal lift prosthesis:PLP)
(3)バルブ型スピーチエイド(speech bulb:SB)
VI 味覚障害
1.味覚障害の特徴
1)味覚障害の症状
2)味覚異常以外の症状(随伴症状)
3)味覚障害の原因
(1)伝導性障害 (2)受容器性障害 (3)神経性味覚障害 (4)心因性味覚障害
2.味覚障害の検査と評価
1)一般臨床検査
(1)血液検査 (2)カンジダ検査 (3)唾液分泌検査 (4)心理テスト
2)味覚機能検査
(1)濾紙ディスク法 (2)電気味覚検査 (3)全口腔法
3.味覚障害の治療
1)主な原因別の治療法
(1)心因性 (2)特発性 (3)亜鉛欠乏性
2)亜鉛補充療法以外の治療法
VII 口腔リハビリテーションと栄養管理
1.栄養アセスメント
1)高齢者の低栄養
2)低栄養スクリーニング
(1)体重 (2)リスク評価 (3)低栄養スクリーニングツール
2.口腔機能障害患者に対する栄養管理
1)食品摂取の多様性スコア
2)よく嚙める人は本当に栄養バランスがとれているか?
3.咀嚼機能障害と食形態
スペシャルコラム ③咀嚼できることは健康につながる
VIII 口腔健康管理
1.口腔機能管理
1)周術期における口腔機能管理
(1)周術期口腔機能管理とは (2)周術期に生じる口腔に関連する合併症
2)オーラルマネジメントによる口腔環境の整備
(1)オーラルマネジメントとは (2)術前の評価(Assessment)の重要性
(3)汚染物の回収を目的とした口腔ケア (4)全身麻酔を予定する患者の歯科治療
(5)術後の評価と摂食・嚥下リハビリテーション (6)プレハビリテーション
(7)がん化学療法や放射線治療による口腔粘膜炎 (8)歯性感染症の急性化
(9)口腔乾燥への対策(保湿の方程式)
2.口腔衛生管理
1)公的保険制度の変化
2)口腔衛生管理
(1)定義 (2)内容・目的(一部口腔機能管理と重複)
3)健康寿命の延伸を目指して
3.口腔ケア
1)口腔機能管理における口腔ケア
2)日常生活における口腔ケア実施のための口腔アセスメント
(1)改訂BDR指標 (2)Oral Heaith Assessment Tool:OHAT
3)日常生活における口腔清掃
(1)歯磨きと口腔清拭・介助による口腔清掃 (2)含嗽(うがい)とワイプ法
4)舌や口唇などの各口腔器官の運動や嚥下体操など
(1)舌のストレッチング (2)口唇および舌の運動
5)食事時の環境設定と食事介助
(1)食事摂取時の姿勢・環境設定 (2)食事介助における注意点
4.口腔機能発達不全症と口腔健康管理
1)口腔機能発達不全症とは
2)口腔機能発達不全症の評価
(1)離乳完了前 (2)離乳完了後(18か月以降)
3)口腔機能発達不全症の口腔管理の概要と方法
5.口腔機能低下症と口腔健康管理
1)オーラルフレイル
2)口腔機能低下症
3)口腔機能低下症の検査・診断と口腔健康管理
(1)口腔衛生状態不良 (2)口腔乾燥 (3)咬合力低下 (4)舌口唇運動機能低下
(5)低舌圧 (6)咀嚼機能低下 (7)嚥下機能低下
4)多職種連携による口腔健康管理
スペシャルコラム ④口腔リハビリテーションに欠かせない未来型の除菌消臭成分MA-TTMの導入
IX ステージに応じたリハビリテーション
1.病院の機能分化とリハビリテーション
1)病院の機能分化
2)リハビリテーションと口腔リハビリテーション
(1)リハビリテーション (2)口腔リハビリテーション
2.急性期における口腔リハビリテーション
1)高度急性期・急性期病院における歯科の現状
2)周術期等口腔機能管理
3)気管挿管時の動揺歯への対応
4)口腔内の感染源の除去と口腔機能回復
3.回復期における口腔リハビリテーション
1)回復期リハビリテーション病棟(病院)とは
2)回復期における歯科の役割
3)摂食嚥下リハビリテーション
4)舌接触補助床
4.慢性期(維持期・生活期)における口腔リハビリテーション
1)予後を見据えた口腔環境、口腔機能の管理
2)地域後方支援病院との新しい連携のあり方
3)地域における口腔リハビリテーション
5.歯科訪問診療と在宅患者訪問口腔リハビリテーション
1)歯科訪問診療と口腔健康管理
2)往診と訪問診療
3)「口から食べる」を守る
6.終末期における口腔リハビリテーション
1)口から食べられなくなったら終末期
2)ACP(advanced care planning)と人生会議
(1)リビングウィル (2)アドバンス・ディレクティブ(advanced directive:AD)
(3)DNAR(do not attempt resuscitation)
3)口の終い方
4)人生の最終段階におけるリハビリテーション・ケア
スペシャルコラム ⑤患者の心理的背景と対応の難しさ―Münchhausen症候群の患者に接して感じたこと
X 医療安全、医療倫理、感染予防対策、個人情報保護に沿った診療を実施するための必要な知識
1.医療安全
1)医療安全とは
2)医療事故と医療安全管理
3)口腔リハビリテーションにおける医療安全
2.医療倫理
1)医療倫理とは
2)口腔リハビリテーションにおける医療倫理
3.インフォームド・コンセント
1)インフォームド・コンセントとは
2)インフォームド・コンセントを実践するうえでの留意点
3)口腔リハビリテーションにおけるインフォームド・コンセント
4.感染予防対策
1)標準予防策と感染経路別予防策
2)口腔リハビリテーションにおける感染予防対策
5.個人情報保護
1)個人情報保護法
2)医療における守秘義務
XI 生涯研修
1.学術大会への参加
2.学会発表
3.学術論文の作成
4.EBMの重要性
XII 到達度の評価
XIII 一般社団法人日本口腔リハビリテーション学会認定 口腔リハビリテーション認定医研修カリキュラム
1.リハビリテーション医学・医療および口腔リハビリテーションの概念
2.口腔機能障害の診断、治療に必要な基本知識
3.口腔機能障害の診断、治療に必要な診察、検査
4.口腔リハビリテーションのための診断
5.口腔リハビリテーションのためのアプローチと評価
6.口腔健康管理
7.医療倫理、感染予防対策、個人情報保護
8.生涯学習、EBMの必要性と生涯学習の習慣
|